Archive for 12月, 2006
昨日の続きを軽く。
アメリカのメディア、特にテレビ局は最初YouTubeに対して著作権を盾に対決姿勢を見せたけれど、その圧倒的なパワーを見せつけられて完全に考えを改め次々と提携関係を結んでいる。音楽レーベルもそうで、こういうところは動きが速い。
つまり、人目に触れるのならばテレビでもネットでも構わないということ。まして、オンデマンドで番組(ビデオ)を配信できるのだから、肝心の広告効果がとても大きいということに気付いたんですね。どころか、番組のプロモートをもYoutubeで展開し始めている。つまり、ついこの間までと立場が逆転してるわけ。
一方、スポンサー自身にもYouTubeを商品やサービスのプロモートの場にする動きが盛んになって来ている。事実、YouTubeにアップすることを前提に創られているTVCMも出てきてるようだし。ま、トラフィックの増えようを見れば当然の流れですね。
で、昨日も書いたように、今後一般のユーザー(つまり素人)が撮ってアップしたビデオが、広告を掲載するに十分に値する媒体になるはず。そのための技術も既にあるし、いわゆるUGM(ユーザー・ジェネレイテッド・メディア〜ユーザーが制作して公開・共有するメディア)としては、ビデオが今考えられる中で最も手っ取り早いしね。ま、とりあえず撮ればいいから。
と思ってたら、ウェブ上でビデオを編集加工できるサービスもいろいろあって、これがまたよくできてる。
ちなみに、このサービスはタイム誌の「2006年最もクールな50のサイト」のひとつに選ばれている。
余談だけど、ここに挙げられている各サイトが今後どうなるかは興味津々。(知らないのもあるしなぁ)
あとはですね、携帯で撮って、携帯でアップし、携帯で観るビデオ。これかな。YouTubeもいずれ携帯で観れるようになるそうなので、来年は他からも動きがあるかも。
ということで、今年はこのエントリでおしまいです。毎日飽きもせずにお読み頂いたみなさん、本当に有難うございました。みなさんが読んでくださるおかげで、なんとか書き続けて来れました。来年も頑張って書きますので、よろしく。
●BGM
| Buena Vista Social Club Buena Vista Social Club by G-Tools |
2007年最も重要なウェブトレンドは?
The Biggest Web Trend of 2007 Will Be…
投票で来年を占う(もちろんゲーム的に)わけだけど、Read/WriteWebのリポートでは、「オンラインビデオ+インターネットTV」がトップを走っている。う〜む、やはりそうか。
YouTubeのおかげでネットでビデオを共有するという行為が当たり前になったのが2006年。もちろん、著作権侵害の問題をどう始末つけるのか、いまだに判らないけれども、これが来年以降も加速するのは誰でも予想できると思う。
サイトを一から創るより、ブログを書くより、SNSでコメントの返事に追われるよりも、とりあえずアップしとこうというノリの軽さが受けてる原因じゃなかろうか。要するに、ブロードバンド化が進んだりツールの使い勝手が飛躍的に改善されたりして、ウェブに参加するための条件がどんどん緩和されてきているというわけで。
実はボクも来年インターネットTVに関わるのだけれども、TVとビデオ共有との関係を考えるととてもオモシロイ。
TVは基本的には、あらかじめ決められた放送時間に放送するという考え方に立つ。ただし、その後コンテンツはアーカイブ化してオンデマンドでも観られるように公開することもできる。つまり、最初は視聴時間を限定されるのだけど、あとはいつでも自由に観られるわけ。
そうすると、コンテンツの再利用価値が高まるので、そこにいろいろとビジネスモデルを加味できる。例えば、広告なんかですね。
で、それは何もプロの制作会社が制作したものだけに限らない。YouTubeのように、素人が投稿してきたビデオにも十分広告枠をはめることは可能なんですな。それを、「誰がそんなものを観るもんか」と思ったら大間違い。YouTubeが、そのイイ証拠でしょ。世に言うロングテールはず〜〜っと長く伸びているので、たったひとりでも視聴者がいるならば広告価値はゼロではないわけですよ。
以前にも書いたけれど、素人ビデオに広告を掲載する技術なりビジネスなりは結構進んでる。また、その辺のことは神田敏晶さんのこの本に詳しい。
![]() |
YouTube革命 テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ 神田 敏晶 ソフトバンククリエイティブ 2006-12-16 by G-Tools |
そこで得られる売り上げを投稿者とシェアするという発想は、きっとたやすく受け入れられるだろうし、もしかしたらアフィリエイトなんかよりももっと大きな層を創るかもしれない。なにしろ、再利用の機会を持てるというところが素晴らしい。一粒で二度(いや、何度も)おいしい。
メディアは、既にユーザーとの「共生」の時代に入っている。(ちなみに、神田さんは「共創」と言っている。)制作側が視聴者の生活の中に送り込むのではなくて、視聴者の生活の中から生まれてくるものを制作の原点にする。そういう発想は、インターネットTVにこそ相応しい。
この稿、明日に続けよう。
●BGM
| That Early September Akira Ishi & Steve Swallow 石井彰 スティーヴ・スワロウ by G-Tools |
さて、今年の後半から取り上げて来たウェブサービスの中で、来年以降も動きが気になるものを書いときます。ベスト10ですが、順不同ということで。
1.Google Checkout
順不同だけど、やっぱりまずはGoogleで。Google CheckoutとGoogleBaseとの組み合わせなら、ショップサイトを持たなくても手軽にネット通販が出来る。請求書やクーポンを作成する機能もある上に、AdWordsと連動してて、広告を1ドル分出稿するごとに10ドル分の決済費用が無料になるので、集客に広告が不可欠なこの頃のことを考えれば、いわば決済手数料が無料になってるようなもの。とんでもないサービスです。ついでだけど、Googleは商品検索を完璧にFroogleからGoogle Baseにシフトしたと見るべき。
2.Google Apps for Your Domain(Google アプリ 独自ドメイン向け)
独自ドメインさえ持ってれば、メールソフトの「Gmail」、インスタントメッセンジャーの「Googleトーク」、カレンダーソフトの「Googleカレンダー」が利用できる上に、なんとWebサイト構築ソフトの「Google Page Creator」まで利用できるという有難いパッケージ。メールの容量は2GBまでですから不足はないでしょう?これ全部無料。
Office Live Basicsも、無料でサイト構築できるすんごいサービスだけど、ウェブ上での今後の拡張性を考えたらやっぱりこっちかな。
3.Reviewme
スポンサーが報酬を支払って、自社製品をネタにブロガーにエントリを書いてもらう仕組み。PayPerPostがスポンサー付であることを隠して、しかも好意的な記事しか書かせないので、最初はちょっと疑ってたけど、ここはそのブログがスポンサー付きであることを公表して書くので、ま、ちょっとはましかと。要するに、
記事が好意的なものである必要はない。
ブロガーは支払われるかどうかを気にすることなく忌憚のない意見を書ける。
要件は最低200ワード書くことだけ。
だとか。書き手にも読み手にもよけいなバイアスがかからないのでイイ。
4.Kaboodle ThisNext その他
次々と立ち上がるソーシャルショッピング(コマース)系のサービス。要するに、お買い物リスト共有型のSNSですね。これを、商品検索エンジンとしか考えていないムードが未だに日本にはあるけれど、全く逆で、SNSが主。あくまで、ユーザーが主人公。海外でもたくさんあるけれども、日本でも来年あたり賑やかになる気配。garittoも参戦するしね。
5.Mpire
ネット通販系でもうひとつ。もともとネットショップで販売されている商品の価格比較や、e-Bayなどのオークション価格を知らせてくれるサービスだけど、なんと、ブラウザへプラグインできるようになったので、いちいち、そのショップサイトへ行かなくても今見ているページ上で他のショップ情報を一覧で見れる。ということは、下手すると消費者が一歩もそのサイトから動かないということもあり得る。これ、驚いたなぁ。ちなみに、中古価格も併せて知らせてくれるので、結果的には出費が減るかもね。
6.Pando
今後、無料のストレージサービスは、ますます充実するみたいだけど、これもバカでかいファイルもしくはフォルダを送ってくれるサービス。1GBまでOK。サイト上に貼り付けたボックスから直接ダウンロードも出来るスグレモノ。しかも、Skype3.0に対応したので
・自分のSkype仲間にファイルやフォルダを送れる
・相手がオフラインでも送受信できる
・ファイルのURLも取得できる
・同時に複数のファイルを複数の受信者に送れる
…などなど。メールアドレスを入れなくてイイのでめちゃ便利。ネットショップにもメリット大。
7.SmallTown.com
文字通り小さな町(Town)用の情報公開サイト。新聞の地方版ページ的ノリで。SmallTown がサービス範囲とする区域では、どんなビジネスも無料で画像1枚と簡単なコメントでfree cardにリストされる。無料でコンテンツ作りに誰でも参加できるのが、まずイイ。
で、有料のenhancedサービスにアップグレードすれば、4つのタブを追加してフォトギャラリーや印刷できるクーポンなどの情報を載せられる。それで月額 $40だから、AdWordsやOvertureを利用することを考えれば、そこそこ手頃な料金かと。
それに地域に密着したビジネスなら、こういうタウン誌的サイトでのプロモートの方が効果的なのは容易に想像できる。おまけに、情報にコメントを付けたり、友達にメールで知らせたりもできるので、結構地域内交流に役立つと思う。
言ってみれば、これがホントのソーシャルネットワークというわけですかね。ボクは、来年日本でも、こういう地域コミュニティものがいろいろ出てくると予想(期待)しています。
8.Jigsaw
ず〜っと気になってるビジネスパースンがビジネスユースにちゃんと使えるSNSのひとつ。会員のメールアドレスやURLの他に、直通電話番号やFAXなどもリストされていて、今まで出会うことのなかった者同士が、ビジネスパートナーとして手を組めるチャンスが広がるのがイイ。
もちろん、ガセネタやノイズもあるでしょうが、ペナルティもあるので使ってるうちにユーザー間の意識と行動によって徐々に浄化されていく仕組み。
一方、こちらはやたらと個人情報に神経質になるお国柄なので、なかなかその道のりは遠いみたいだけど、今後、日本でもSNSがオープン制に移行するならば(早晩そうなるでしょう)、こういうのも違和感なく利用されるようになるかと。
自分にアクセスしようとしている人を歓迎するビジネスマインドの溢れる人なら、このサービスもきっと歓迎すると思うんですがね。
なお、同種のサービスLinkedInは9月現在で770万人ものユーザー数に膨れあがっている。
9.Diigo
単にブックマークを共有するだけではなくて、そのページの一部に下線(ハイライト)を引いて、そこにコメントを自由に書いて貼り付けられ、しかもそれを他の人と共有できるというスグレモノ。つまり、コメントを誰かと互いに公開・共有することで、新しい情報や価値を付加できるということ。この視点はイイ。
さらには、ハイライト部分を「ここ読んで」と誰かにメールしたり、検索したり、その部分を引用して、そこからブログの記事を投稿したりもできるという、まあ、至れり尽くせりの超便利ツール。おまけに、日頃使っている複数のブックマークサービスにも同時に登録可能というのですから、く〜、参った〜。
で、SNS的ツールとしてちょっと注目しておきたいのは、共有する範囲を任意に指定できるという点。Diigoでは、「パブリック」と「プライベート」の2種類が選択できるけれど、こうしたおつきあいの範囲(制限)を意識してネット上でも持つというのは、特にSNS系に見られるここ最近の傾向です。
ちなみに、Diigoと同じようなスグレモノに、BlueDotがあるけれど、こちらは公開・共有する範囲を、「全員」「友達」「自分」の標準の3種類に加えて、新規に任意のグループを追加設定できる。
10.Prosper
今年一番驚いたサービスは実はこれ。個人間での融資を取り持つサービス。何でもあるなぁ。
借りたい人は、最高2万5000ドルまでの借り入れを申し込める。で「お貸ししてもいいですよ」という他のメンバーが、おのおの希望の金利で融資を申し出る。「おのおの」というのは、つまり借入先を複数に分けることでリスク分散してるというわけ。
感心したのが、借り手の信用度を測るシステム。「信用のおける人間は必ず何かのグループに属しているもの」というルールに則って、Prosperでは、借り手の属するグループの返済状況を公開している。
それは、子供の学校のPTAや近所の犬の散歩グループでも、はたまた消防士の集まりでも構わない。そのグループ全体の返済実績をもって借り手の信用度をクレジットするというとてもユニークなシステム。ま、人というものの「どこかに属していたい」という本能をうまく利用しているということか。
このサービス、メンバーが10万人を超え、既に$20 M(2千万ドル)以上の融資が実行されてるんだとか。ますます伸びそうな気配濃厚。
…、ま、他にもあるけれど、一応この辺で。
ボクが、これらのウェブサービスを紹介するのは、日本でもこういう気の利いたサービスを誰か始めないかなぁという期待を込めているから。なので、中古CD交換サービスのla laのフォロワーが遂に出たと知ったときは、とても嬉しかった。
番外.diglog
来年もそこら辺を期待しつつ、続けていきましょうかね。
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| Both Sides Now Joni Mitchell by G-Tools |
要するに、Googleは、来年は何をやってくるか、って話。
こっちに抄訳が。
へぇ〜、Google TVかぁ。ラジオ、新聞と広告の領域を広げているのを見れば、次はテレビと、こう来るのは当然でしょうか。ただ、ラジオの方は肝心の広告枠を十分に確保できなかったみたいで、いまいちスタートにつまずいてるみたい。
テレビは、視聴者の観ているテレビ番組を音声認識で解析して、それに合わせた広告を流すという仕組みみたいですが、ことGoogleに関してはそういう話を聞いても、もうあんまり驚かないですね。
ただボクは、Google Checkoutがアメリカ以外にも普及するという話の方がもっと気になります。PayPalが日本でなかなか市民権を得られないので、そんなら今の内に行っとこうって感じでしょうか。これ、始まったらきっとあっという間に広がりますよ。間違いなく。
ついでながら、先日のintuitの動きも気になるところ。この辺、きっと繋がってくる気がするなぁ。
と思ってたら、なんと、GoogleTalkが普通の電話に繋がるという話も。え〜!
Google VP speaks of plans for the coming year
ふ〜、全くとどまることを知りませんね。
あ〜っと、ため息ついてないで、そろそろ1年総まとめのエントリを書かなければ。あと3日かぁ。
●BGM
| John Abercrombie, Marc Johnson & Peter Erskine John Abercrombie Marc Johnson Peter Erskine by G-Tools |
今年の夏に知って以来注目してるのが、中古CDの交換サービスのla la。
そのとき書いたのはこれ。
売買じゃなくて会員同士の交換というのがミソ。こういうアタマのいいサービス、日本でも出てこないかなと思ってたら、出た!
まだベータ版だけど、なんと1枚250円でCDを入手できる。そのうち、90円は郵送料で利用料が160円というわけ。
多分、la laをお手本にしたと思うけれど、日本でもうまく機能するよう結構細かく考えられている。
リクエストされたCDの送付を承認すると、diglogからCD送付キット(認証番号付き封筒、CDケース)が送られてきます。送付キットが届いたら、封筒に記載されている認証番号を入力して、CDの送付を確定させてください。その後、送り先の住所が表示されますので封筒に記載し、送付するCDが正しく聞けるかを確認して、ポストに投函してください。CDケースは再利用できますので、他のユーザーから受取ったCDケースをそのまま御利用いただけます。
送付キットについては、ここに試作の様子がある。
指定のCDケースを使用するところはla laにはなかったし、ジャケットやライナーノートが同封できないのは郵送料のせいだろうか。これは、扱う量が増えれば解決するかもしれない。
ところで、音楽情報をAmazonから引っ張ってくるのはよくあるけれど、関連アーティスト情報はLast.fm運営会社のAudioscrobblerのWeb Serviceを使用しているんだそう。外部に提供してたのか。シラナカッタ。
要するに、パソコンで音楽を聴く世界中のリスナーの音楽再生状況を、リアルタイムでデータ集積するどえらいシステム。Last.fmでは、これを元に音楽の傾向をプロファイルしてオススメしている。その母数の違いのせいだろうか、ボクはAmazonのリコメンドより、Last.fmのオススメの方がよ〜く「音楽を知っている」と思う。
ところで感心したのが、これ、学生さんたちが起こされたビジネスなんですね。その代表の方から、お誘いがあったので近々お会いする予定。楽しみなり。
●BGM
| The Hudson Project Live in New York City John Abercrombie Peter Erskine John Patitucci by G-Tools |
